2024-2025 木造住宅の設計の記録
木造住宅の設計の記録2024-2025 木造住宅の設計の記録

2024-2025 木造住宅の設計の記録

2024年2月。

                                   

見覚えのある名前が、

会社のホームページからのお問合せ受信欄にあった。

                           

建築士の資格取得のための学校に通っていたころ、

同じクラスで勉強していた女性が差出人だった。

                                       

ご両親が家の建て替えを計画していること。

遠方に住んでいて、子育てと仕事で時間がとれないこと。

女性の建築士が良いと思うので、

自分の代わりに設計をしないかという内容が、丁寧な文章で書いてあった。

                          

一先ず電話をすると、

話し方や声のトーンで昔の記憶が戻ってきた。

                            

私の仕事のスタイルとして、

設計から施工までを一貫して請けている。

施工まですると業者さんと直接打合せが出来るので、

お客様との打ち合わせ内容との相違が少ない。

また、予算の配分や工程などの検討も付きやすいのが理由だ。

なので、設計だけというのが少し不安だった。

                             

それで、

こちらの仕事の進め方を説明し、

了承いただければお引き受けしたいが、

そもそも、ご両親と私の相性もあるので、

一回お会いしてから決めましょうという事になった。

                                          

数日後、

初めてご両親にお会いしたのだが、

快く受け入れてくださった。

朗らかで、とても話しやすく、

ご要望などもきちんと整理して話してくださる聡明なご夫婦だった。

                                 

住まわれているお家を見せて頂き、

気に入られている所や、

今後はどういう暮らしをされたいかをお聞きしていく。

その時はまとまりのない会話だけど、

後から振り返ると大事なヒアリングであったりする。

                             

奥様は色に敏感で、

色からのパワーをとても大切にされているイメージだった。

また、材質などの質感も大事にされていた。

                         

使われている家具や建具は、その時の生活に合わせてオーダーされていて、

一つ一つ思い出のある品ばかりだった。

それらは新しいお家でも使われたいというご希望だった。

                            

1-2時間ほどが経ち、

帰るころには、設計を引き受ける事になっていた。

                                 

※最終的に、家具や建具は残すものと新しく作るものとの共存となった。

下の写真のうち、新しい家具はダイニングチェアと、少し写っている造作の作業台のみ。

リペアされた家具達は、木目も新しく生まれ変わって建て替え後に設置された。